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二つの「この世界の片隅に」―マンガ、アニメーションの声と動作― 単行本(ソフトカバー) – 2017/9/7
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登場人物に爪がないのはなぜか。
一本のまつげは何を表そうとしているのか。
ほんの小さな台詞の変更がもたらした思いがけない効果とは・・・・・・・・・・
原作マンガとアニメーションを往復しながら、
1カット、1コマにいたるまで詳細に・・・・・
「見/観」尽くした著者だからこそできる、
ファン待望の分析本!
片渕須直監督とのスペシャル対談を収録。
- 本の長さ253ページ
- 言語日本語
- 出版社青土社
- 発売日2017/9/7
- ISBN-10479177003X
- ISBN-13978-4791770038
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商品の説明
出版社からのコメント
ついに観客動員数は200万人を突破し、
もはや「名作」というだけでは語り尽くせない作品となりました。
「マンバ通信」での大人気連載に書き下ろしと
片渕須直監督とのスペシャル対談を収録いたしました。
あの感動を再び、いや三度味わいください。
登録情報
- 出版社 : 青土社 (2017/9/7)
- 発売日 : 2017/9/7
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 253ページ
- ISBN-10 : 479177003X
- ISBN-13 : 978-4791770038
- Amazon 売れ筋ランキング: - 430,633位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について

1960年兵庫県生まれ。早稲田大学教授。
日常会話における身体動作の研究を行うかたわら、マンガ、アニメーションなど19世紀以降の視聴覚文化にも関心を寄せている。
単著に『二つの「この世界の片隅に」』(青土社)、『介護するからだ』(医学書院)、『うたのしくみ』(ぴあ)、『ミッキーはなぜ口笛を吹くか』(新潮選書)、『今日の「あまちゃん」から』(河出書房新社)、『絵はがきの時代』『浅草十二階』(ともに青土社)、『絵はがきのなかの彦根』(サンライズ出版)。
共著に『エドワード・ヤン 再考/再見』(フィルムアート社)、『マンガ視覚文化論:見る、聞く、語る』(水声社)、『動物と出会う〈2〉心と社会の生成』(ナカニシヤ出版)、『世代をつなぐ竜王の祭り』(サンライズ出版)、『多人数インタラクションの分析手法』(オーム社)、『ことば・空間・身体』『活動としての文と発話』(ともにひつじ書房)、『相互行為の社会心理学』(北樹社)、『ステレオ』(ペヨトル工房)他。
『介護するからだ』副読本のページ:
http://www.12kai.com/kaigo/
『うたのしくみ』副読本のページ:
http://www.12kai.com/uta/
『ミッキーはなぜ口笛を吹くのか』副読本のページ:
http://www.12kai.com/mickey/
『浅草十二階』計画のページ:
http://12kai.com/top_12kai.html
『絵葉書趣味』のページ:
http://12kai.com/pc/
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
殆どの内容はwebで無料で読める...しかしここは書籍を購入することで著者に敬意を示したいです。
原作漫画とアニメーション版を徹底的に比較するなかで、原作者のこうの先生や片渕監督が込めた意図を紐解いていきます。
なかなか作品に目を通しただけでは気づけない所にも光を当てて下さる、作品ファンであれば必須の一冊といえます。
対談の中で片渕監督に「こんなところまで見てくださる方がいらっしゃるんだ」と言わしめています。
この本のを読む事で必ず新しい発見があること間違いなしです!
私は映画「この世界の片隅に」に衝撃的と言えるほど何かを感じたし、良い映画を見たという満足感で一杯でしたが、どの部分がどう良かったのか、上手く言語化できませんでした。「何だかよくわからないけど、魔法のようにすごいものをみた」、と。
映画を見た後、原作のマンガ「この世界の片隅に」を読み、「とても良かった」と思ったものの、これまた、どこがどう凄いのかうまく表現できませんでした。
この本を読み終わって思ったのは、自分が感じた「感覚」を生み出したのは決して魔法ではなく、考えられ意図のある表現、技術が高密度で用いられていたからであろうということです。明確に認識できていなくても、絵やセリフ(音楽や声、音)や構成等から生み出される効果を総合的に感じ取った結果の「感覚」だったのだろうと腑に落ちました。
特に感銘を受けたのは、漫画と映画は同じエピソードを描いていても、それぞれのメディアの特徴を生かした意図のある表現の具体的な指摘です。また、著者の親が呉出身ということで、呉と広島の言葉の違いによるニュアンスの読み取りも、自分ではおそらく分かり得なかった部分です。
インターネット上では多くの人による様々な読み解きを読むことができますが、映画と漫画の両方を細やかに濃く読み込んだ分析がまとまったこの本は意義があり、「この世界の片隅に」を考える際に欠かせない一冊になるでしょう。
この本のタイトルの「二つ」とは、マンガ版とアニメーション版の「二つ」の表現の意味。
マンガ版(原作)は、2008年と2009年の発行。アニメーション版(映画)は、2016年の劇場公開。
この本の著者は、この「二つ」を並べて比較対照し、声と動作の一挙手一投足まで詳細に分析しています。
例えば、「幼いすずが船を下り、風呂敷包みを背負い直す場面」(115頁)。
たった1コマ、ワンカットの微妙な動きを、こんなにも深く見つめて、思いを巡らしているとは! 驚くべき、細部へのこだわりです。
「呉と広島のこのような違いは、20年を単に「終戦の年」「原爆の年」とまとめることではけして見えてこない。呉での一日一日の生活を順に追い、20年7月にたどりつくことで初めて浮かび上がってくるものだ」(18頁)
この著者の言葉から、マンガの原作者とアニメ監督は二人とも、20年7月の「昭和世界」にたどりつくために、呉での一日という「片隅」を丹念にコツコツと描いていったのか、なるほどと気付きました。逆に「『世界』を描かないと『片隅』が見えてこない」(47頁)とも言えます。描き方によって、見えてきたり見えてこなかったりする、不思議な世界と片隅です。当然、マンガで描くのと、アニメーションで描くのとでは、見えてくる世界と片隅は違ってくるでしょう。「世界」と「片隅」とは、こんなにも小さくて狭くて深い世界。その世界での不思議な人間関係がちらちらと垣間見えてくるような本になっています。
人の名前をどう言うのか、も、この本を読んで気になったところです。
「妹を愛称ではなくあえて『浦野すみ』とフルネームで呼ぶことで、物語の中に取り込む。こうして『と言いながらも箸を持ち直す浦野すみであった』というすずのことばは、あたかも活動弁士のように、あるいはドラマのナレーションのように、すみを、そして自分たちの居るこの場所を物語にしてしまう」(12頁)
夫の周作がずっとすずを「すずさん」とさん付けしているのにも気になりました。
「すずさんは小(こ)まいのう」(31頁、132頁)
これに対して、水原という男は「すず」と呼び捨てにしています。
「すずは『キザもたいがいにし! すずすずと呼び捨てしくさって』と言う」(32頁)
「すず」と呼び捨てにするのも、「すずすずと呼び捨てしくさって」というすずの返答も、どちらからも愛情とやさしさを感じました。
さん付けの「すずさん」は、171頁にも出て来ます。
「すずはまだリンと周作のことを知らずにいる。しかし、「すずさん」「リンさん」と名字を欠いた名前で呼び合うとき、二人の間には北條家の存在を欠いた、「すいか」に端を発する奇妙な友情が結ばれようとしている」
リンの言う「すずさん」っていう一言は、なんて味わい深いリン自身のキャラクターを感じさせる呼び方でしょう。リンの声まで聞こえて来そうです。リンとすずの合わせ鏡のような人生を暗示している一言です。
この本には、このような「片隅」が、切り取られたマンガのコマの挿絵と共に、あれもこれもと満載されています。著者の細部へのこだわりが、読者に三つ目の「片隅」の世界を再発見させてくれます。マンガ版を見た人にも、アニメーション版を観た人にも、この本はきっと新たな「片隅」の世界の気付きと新たな読みの再発見があるだろうと思います。神が細部に宿るように、愛は片隅の細部にあることを認識させてくれる本です。おすすめしたくなる本です。